研削盤とは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

研削盤とは

高速で回転する砥石に削りたい素材を押し当て、少しずつ削り取っていく機械を研削盤といいます。

一度に削れる量は刃物よりも少ないですが、砥石で研削するほうが細かい精度で加工面もきれいに仕上がります。

荒削りから仕上げ加工まで1台でこなせるのが研削盤の魅力の一つです。

尚、本記事は「機械研削盤」に限定した内容です。
グラインダー「自由研削盤」についてはこちらをご覧ください。

ディスクグラインダーとは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

研削盤の種類

研削盤は大きく分けて、円筒素材の外側を削る円筒研削盤、円筒素材の内側を削る内面研削盤、平らな平面を削る平面研削盤に大別されます。

平面研削盤

平らな平面を削る機械を平面研削盤といいます。

素材が前後、左右と上下に移動して回転砥石に近づけて加工を行います(機種によっては砥石が上下移動)。

研削盤の中で最もよく使用されているのがこの平面研削盤です。

精密成形平面研削盤

出典:黒田精工

 

円筒研削盤

回転する砥石で円筒素材の外周を削る機械を円筒研削盤といいます。素材は砥石とは反対方向に回転します。砥石は上下に動き、素材が左右に移動します。

CNC汎用円筒研削盤

出典:コンドウ

 

内面研削盤

回転する砥石で円筒素材の内側を削る機械を内面研削盤といいます。素材は固定されて回転のみ行い、砥石の主軸が左右に移動して内面を研削します。

精密内面研削盤

出典:科学計器研究所

 

工具研削盤

使い古したエンドミルやドリル、フライスカッターなどの工具を再研削する機械を工具研削盤といいます。再研削だけでなく、工具を製造することもできます。工具研削盤の中でもドリルのみに特化した研削盤をドリル研削盤という機械もあります。

工具研削盤

出典:カネヒラ

 

センタレス研削盤

円筒形素材の外周を研削する場合にセンタレスという研削盤を使用します。センタレスは円筒研削盤のように中心を支持せず、砥石と調整砥石の間に素材をセットして外周全体を研削することで、より真円に近い加工をすることができます。心なし研削盤ともいいます。

 

NC研削盤

汎用の研削盤にNC(数値制御)装置を取り付けた機械で、プログラミングされた順序に従って、自動的に加工を行います。コンピュータを使ったCNCの制御が最近の主流です。

 

成形研削盤

平面研削盤にドレッサーという砥石を削る装置が付いた研削盤を成形研削盤といいます。砥石を精密に削ること(ドレッシングといいます)で溝加工が可能になります。ドレッシングには、ダイヤモンドなどの超硬度材料を使って砥石を削ります。

 

ジグ研削盤

金属素材の穴内径をミクロ単位の精密な研削をしたい場合にジグ研削盤を使用します。NCジグ研削盤では、3次元での加工も可能になります。

 

研削加工の種類

円筒研削

回転する砥石で円筒素材の外周を削ることを円筒研削といいます。素材は砥石とは反対方向に回転します。砥石は上下に動き、素材が左右に移動します。円筒研削盤やセンタレス研削盤を使って加工します。

 

内面研削

回転する砥石で円筒素材の内側を削ることを内面研削といいます。素材は固定されて回転のみ行い、砥石の主軸が左右に移動して内面を研削します。内面研削盤やジグ研削盤を使って加工します。

 

平面研削

平らな平面を削ることを平面研削といいます。砥石は上下に動き、素材が左右と前後に移動します。平面研削盤や成形研削盤を使って加工します。

 

まとめ

高速回転する砥石で素材を研削する機械、研削盤についてご紹介しました。

研削加工はフライスや旋盤などの切削加工と並び、除去加工法を代表する工作機械です。

研削加工は少しずつ加工するために荒削りには時間がかかり、回転砥石の摩耗も激しくなるため重切削は不向きとされていますが、加工面の粗さが小さく仕上がり精度が良いため、切削加工後の仕上げ工程でよく使われます。

工作機械では、加工の用途に応じ、その加工を得意とする機械を使い分けすることが重要です。

研削盤の仕様について知りたい方は、こちらをご覧ください。

研削盤の仕様|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

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