研削盤の仕様|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

研削盤は、高速回転する砥石で素材を研削する工作機械で、研削加工はフライスや旋盤などの切削加工と並び、除去加工法を代表する工作機械です。

切削加工に比べ、加工面の仕上がり精度に優れている特徴から、切削加工後の仕上げ工程で研削加工が使われることがよくあります。

今回はその研削盤の仕様について解説していきます。

研削盤にも種類がたくさんありますが、ここでは市場に多く出回っている平面研削盤と円筒研削盤の仕様について説明します。

研削盤の種類や加工方法が知りたい方は、こちらをご覧ください。
研削条件が知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

テーブルに関する仕様

平面研削盤のテーブル仕様

平面研削盤は、通常直方体の加工物を研削加工します。

ある平面を基準にして平行に加工を行うため、素材をマグネットなどの磁気チャックで吸いつけて固定します。

テーブルの大きさ

マグネットチャックはテーブルと同じ大きさとなっていることが多く、正面から見て「左右の長さ」x「前後の幅」x「高さ」をmmの単位で表します。

テーブルの最大移動量

テーブルが左端から右端まで、及び手前から最奥までの最大移動量をmmの単位で表します。

 

円筒研削盤のテーブル仕様

円筒研削盤は、円筒形の加工物を研削加工します。円筒素材の両中心部を保持し固定します。

テーブル上の振り

取り付けることができる円筒形素材の最大直径をφ(フィー)の単位で表します。

センター間の距離

取り付けできる加工素材の最大長さのことになります。

 

内面研削盤のテーブル仕様

内面研削盤は、円筒形素材の内径を研削加工します。素材の端どちらか一方を三つ爪や四つ爪のチャックに取り付け、チャックの反対側から加工していきます。旋盤の素材をチャックに固定する方法と同じですね。

 

砥石に関する仕様

砥石寸法

標準で付属する回転砥石の寸法を「φ直径mm」x「幅mm」x「φ内径mm」で表します。標準以外の砥石を使用するとサイズが変わることもあり、特に直径の大きさが変わると加工物の最大サイズにも影響しますので注意が必要です。

砥石の回転数

1分あたりに回転する量をm-1という単位で表します。古い機種だとRPMという単位で表す場合もあります。どちらも1分間の回転量という意味で同じです。

 

送り量に関する仕様

送り量とは送り速度ともいい、1分間に移動する量をmm/minの単位で表します。

平面研削盤では、テーブルが左右に移動し、サドルが前後に移動し、砥石が上下に移動するタイプの機種が多く存在します。テーブル移動用、サドル移動用、砥石移動用のそれぞれにハンドルがあり、ハンドル1回転あたり何mm移動するかという仕様が表記されます。

自動送りの場合は1分間に移動する量をmm/minの単位で表します。古い機種だと50Hzと60Hzで送り速度が変わることがあるので注意が必要です。

 

まとめ

高速回転する砥石で素材を研削する機械、研削盤の仕様についてご紹介しました。

研削加工はフライスや旋盤などの切削加工と並び、除去加工法を代表する工作機械です。

研削盤には、平面研削盤、円筒研削盤、内面研削盤、成形研削盤、ジグ研削盤などたくさんの種類がありますので、加工する工程に合わせて機種を選定する必要があります。但し、たいていの加工は平面研削盤と円筒研削盤で工夫をするか、オプションをつければ代用が可能です。

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