非鉄金属素材の性質と特徴(アルミ・銅・チタン・マグネシウム)

非鉄金属とは名前の通り鉄以外の成分を主成分とする金属のことをいい、アルミニウムや銅、チタン、マグネシウムといった素材が該当します。

非金属素材とは金属元素を成分に含まない素材のことで、プラスチックやセラミックス、ゴム、ガラスといった物質があり、電気を通さないものが多く存在します。

材料の全体像

まず初めに工作機械で使用する材料の全体像を以下の表で解説します。

金属素材の他に、非金属素材、特殊素材といった種類の材料が存在します。

加工素材 金属素材 鉄鋼素材 炭素鋼
合金鋼
鋳鉄
非鉄金属素材 アルミニウム

チタン
マグネシウム など
非金属素材 プラスチック
セラミックス
ゴム
ガラス など
特殊素材 機能素材
複合素材

次項で上記の各素材について解説していきます。

非鉄金属素材

アルミニウム

アルミニウムは、ボーキサイトという鉱石を溶融塩電解によって精製する素材です。

元素記号はAlで、鉄よりも軽くて耐蝕性があり、通電性・熱伝導に優れますが、酸に弱いといった特徴があります。

アルミニウムは我々の身近なところで使われており、例えばフライパン、飲料缶、飛行機や新幹線のボディ、サッシ、金属バットなど幅広く使われており、人体に悪影響がないといった点からも高く評価されています。

アルミ板 A5052

出典:秘密基地

アルミのJIS記号はAの後に4桁の数字がつきます。A1000系だけは純アルミとなっており、それ以外は合金です。各系統の記号は、下表のとおりです。

系統 成分 備考
A1000系 純アルミニウム(Al) 加工性・溶接性・耐蝕性に優れ、家庭用品に使われます。強度は弱いので構造用には使われません。
A2000系 アルミ・銅(Cu)・マグネシウム(Mg)の合金 ジュラルミンともいい、鉄鋼材と同等の強度がありますが、銅の影響で耐蝕性は弱くなります。
A3000系 アルミ・マンガン(Mn) マンガンを添加することで純アルミ(A1000系)の特徴を残しつつ、強度を高めたもの。
A4000系 アルミ・シリコン(Si)の合金 シリコンの添加により溶融度が下がるため、溶接ワイヤーなどに使われます。
A5000系 アルミ・マグネシウムの合金 加工性・耐蝕性に優れており、構造用にも使用されます。アルミ合金の中でもこのA5000系がよく使われます。
A6000系 アルミ・マグネシウム・シリコンの合金 A5000系と同様に加工性・耐蝕性に優れ、構造用にも使われます。アルミサッシなどに使われます。
A7000系 アルミ・亜鉛(Zn)・マグネシウムの合金 アルミの中で最も硬く、鉄鋼のSS400よりも引っ張り強さが高く、強度の必要な構造用に使われます。超々ジュラルミンと呼ばれます。

銅ははるか昔から使われている素材で、人類が最初に発見した金属といわれています。

銅は耐蝕性に優れているので、青銅器時代に作られた青銅製の食器や刀剣などが遺跡で発見されることがあります。これらの銅は銅鉱石を溶融して取り出されています。

銅板 C1100P

出典:秘密基地

銅のJIS記号はCに続く4桁の数字の組み合わせで表されます。数字は合金の種類によって1000系から7000系まであります。各系統の種類は次の通りです。

系統 種類
C1000系 高Cu(銅)系合金
C2000系 Cu-Zn(亜鉛)系合金
C3000系 Cu-Zn-Pb(鉛)系合金
C4000系 Cu-Zn-Sn(スズ)系合金
C5000系 Cu-Sn系合金、Cu-Sn-Pb系合金
C6000系 Cu-Al(アルミ)系合金、Cu-Si(ケイ素)径合金
C7000系 Cu-Ni(ニッケル)系合金、Cu-Ni-Zn系合金

銅の最大の特徴は導電率の高さで、電気配線の銅線としてどこの家庭でも使われています。

熱伝導率は鉄やアルミよりも高く、銅鍋だと鍋の底面と側面で温度差を小さくすることができます。

銅は古代から使われているように加工性に優れ、特に工作機械の切削加工や鉄製品製造機械の圧延機などの加工に相性の良い素材です。

チタン合金

チタンを主成分とする素材がチタン合金です。

チタンは、これまで解説してきた鉄鋼、銅、アルミと比べて強度・重量・耐蝕性のすべてにおいて優れている素材です。

強度でいうと鉄鋼の2倍以上、軽さは鉄鋼の2/3程度、耐蝕性は海水にも強くアルミ以上という特徴があります。さらに人体に影響がないということでアクセサリーやメガネフレームにも使われています。

デメリットとしては素材が高価な点と加工が難しいといったところがあげられますが、技術の進歩により、以前に比べて加工しやすくなっています。

チタン板 TP340

出典:ステンレス・チタンのOKC

マグネシウム合金

マグネシウムを主成分とする素材がマグネシウム合金です。

特徴としては、鉄やアルミに比べて重量が軽く、その軽さに対する強度は最も強い素材なので、鉄製品に代わるばかりでなく、プラスチックでは強度が足りない部品の代用としてマグネシウム合金が使われることもあります。

電磁波の遮断性能も高く、ノートパソコンのボディや一眼レフカメラのボディなどがマグネシウムの素材が使われています。

工作機械での切削加工も可能ですが、溶融金属に圧力を加えて金型に流し込むダイカスト鋳造で加工する方法が一般的です。

ケニス マグネシウム板

出典:楽天市場

まとめ

今回は鉄以外を主成分とする非鉄金属素材について解説しました。

非鉄金属素材は、パソコンのボディやメガネフレーム、銅鍋など、意外にも我々の身近なところで活躍しており、生活に欠かせないものとなっていることがわかりました。

非鉄金属素材にはそれぞれ特徴があるので、製品には最適な素材を選定してよく考えて設計することが重要です。