【旋盤の基礎】旋盤とは?種類・構造・加工方法・中古選びのポイントまで徹底解説

金属加工の現場で最も広く使われる工作機械といえば「旋盤」です。
棒材や円筒ワークの加工に特化しており、自動車部品、金型部品、油圧機器、機械要素部品など、あらゆる製造業で欠かせない存在です。

この記事では、 旋盤の種類・構成・加工方法・用途・中古購入時のチェックポイント を、現場目線を交えながら分かりやすく解説します。

旋盤とは

旋盤(Lathe)は、ワークを回転させ、そこにバイトを当てて切削する機械です。
旋削加工は切削法のなかでも最も基本的で、丸物加工には必須の加工方法です。

加工精度は一般的に ±0.01mm前後 を狙え、
CNC旋盤では複雑な形状・高精度加工が効率良く行えます。

旋盤の種類

汎用旋盤(Manual Lathe)

オペレーターが操作ハンドルで送りや切り込みを行うタイプ。

  • 少量生産
  • 修理加工
  • 単品加工
    に適しています。

メリット:段取りが早い、感覚調整ができる
デメリット:大量生産に向かない

汎用旋盤

出典:(株)TAKISAWA TSLシリーズ

NC旋盤(CNC Lathe)

NC装置(FANUC、Mitsubishi、Siemens など)でプログラム加工する旋盤。
現場では最も普及しているタイプで、
量産〜精密加工まで幅広く対応可能

メリット:再現性◎、精度が安定
デメリット:段取りは汎用より手間

NC旋盤

出典:(株)TAKISAWA TCシリーズ

NC旋盤はこちらにまとめてありますので、よかったらご覧ください。

NC旋盤とは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説 NC旋盤の種類|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

ターニングセンタ(複合旋盤)

ミーリング装置(回転工具)やY軸を搭載し、
旋盤+マシニングの役割を1台でこなすハイブリッド機。
複合加工機と呼ぶメーカーが多いです。

  • Mazak INTEGREX
  • OKUMA MULTUS
  • DMG MORI NTシリーズ

などが代表的です。

複合旋盤(複合加工機)

出典:ヤマザキマザック INTEGREX-j

旋盤の構成(主要パーツ)

主軸(スピンドル)

ワークを掴んで回転させる部分。

  • 回転精度
  • 馬力
  • チャックサイズ

が機械選定のポイントとなります。

 

刃物台(タレット)

バイトを装着する部分。高速位置決めと剛性が重要。

ベッド

旋盤本体の土台。
“重くて剛性が高いほど精度が出る” のは現場の常識です。

心押し台

長物のワークを押さえるのに必須。

心押し台の先端にはコレットチャックを取り付けることができ、センタードリルを取り付けることでワークの中心穴をを加工する際にも使用されます。

注意
心押し台は使わない場合は取り外し可能ですが、50kgほどの重さがあり1人で取り外すのはかなり危険です!

旋削加工の種類

外径加工

一般的な丸物削り。

内径加工(ボーリング)

穴を広げる・底付穴を仕上げる。

溝入れ(溝加工)

溝バイトを使用。

端面加工(フェース加工)

ワーク端面を平滑に仕上げる。

ネジ切り

メートルねじ、インチねじなどに対応。

突っ切り

ワークの切断。

旋盤が使われる主な業界と用途

自動車部品(シャフト・ブッシュ・フランジ)

油圧機器

ロボット部品

バルブ部品

金型部品の治具加工

食品機械・医療機器の部品加工

“丸物がある現場には必ず旋盤がある” といってよいほど用途が広いです。

中古旋盤の選び方(現場目線)

中古市場では 汎用旋盤〜CNC旋盤まで豊富 に流通しています。
購入時に必ずチェックしたいポイントを挙げます。

ベッドの摩耗(重要)

爪や刃物台が移動する位置で摩耗が大きいと、真円が出にくいです。

主軸の振れ・異音

  • コールドスタートからの主軸音
  • チャック交換歴
  • 高回転時の振れ

は精度に直結します。

タレットの位置決め精度

タレットのガタや位置ズレは不良の原因になります。

制御装置の世代

FANUCの場合

  • 0i-F
  • 0i-MF Plus
  • 21i/18i は古くなる
    古い制御は部品供給が弱いので注意。

加工動画があるか

最近の中古市場では、「動画がある=信頼性が高い」 と判断されます。

中古機械情報百貨店で探すと、機械の動画が掲載されているか一目でわかります。

価格相場(中古)

(メーカー・年式・能力で変動しますが一般的には)

  • 汎用旋盤:20〜150万円
  • 小型NC旋盤:80〜250万円
  • 中型CNC旋盤:150〜450万円
  • 複合ターニングセンタ:400〜1,500万円以上

高年式・高剛性モデルは価格が落ちにくい傾向。

まとめ

旋盤は金属加工において最も基本でありながら、
現代の製造ラインでも欠かせない工作機械です。

  • 旋盤の種類
  • 構造
  • 加工方法
  • 用途
  • 中古選定ポイント

を理解しておくことで、より適切に機械選定が行えます。

「工作機械のイロハ」シリーズとして、
今後は フライス盤/マシニングセンタ/研削盤/放電加工機 なども順次解説していきます。