測定器の種類|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

測定器とは

旋盤やフライス盤といった工作機械で加工をしたら加工物が所定の寸法となっているか測定器で測定します。

長さを測る測定器といえばノギスやマイクロメーターが有名ですが、その他にも穴の内径や溝の深さを計測する測定器、直角を計測する道具や穴の内径を計測する測定器など、様々な種類があります。

今回は製造工場の現場で活躍する測定器について、いくつかご紹介します。

 

測定器の種類

ノギス

加工物の外径と内径をはじめ、溝の深さや段差の長さを測定できる寸法測定器がノギスです。

現場で最も使われている測定器で長さを測るといえばノギスというくらいよく使われています。

アナログ式とデジタル式のものがあり、アナログ式の標準型では0.05mmの精度まで計測でき、デジタル式だと0.01mmの精度まで計測できるタイプがあります。

シンワ測定 普及ノギス シルバー M型 150mm

ノギスは本尺と副尺からなり、副尺をスライドさせて長さを計測します。アナログ式の副尺にはバーニヤという最小点を計測する目盛がついています。

加工物の外側寸法を測るときはジョウという測指で加工物を外側から挟み、内側寸法を測るときはクチバシという測指で加工物の内面から押し当てて計測します。

ジョウの反対側の先端にはデプスバーという深さを計測するための棒がついていて、溝や穴の深さを測ることができます。

シンワ測定 デジタルノギス カーボンファイバー製 100mm

マイクロメーター

マイクロメーターはノギスと同様に長さを計測する測定器です。ねじ式の回転機構を使ってノギスよりも精密な0.01mm単位で寸法を計測することができます。

ミツトヨ 外側マイクロメーター

マイクロメーターはノギスよりも精密に計測できますが、1本で計測できるサイズが0~25、25~50、50~75mmといったように25mm単位です。

ノギスは一本で外側、内側、深さ、段差を測定できますが、マイクロメーターは外側のものは外側だけ、内側だけのものは内側だけといったように必要分だけマイクロメーターを用意しないといけないので、ノギスのほうが汎用性に優れています。

J&T測定 機械内径マイクロメーター

ホールテスト

穴の内径や溝の寸法を測る測定器をホールテストといいます。ホールテストは内径測定器ともいい、マイクロメーターと同様にネジの回転量で計測する仕組みの測定器です。アナログ式とデジタル式、2点式と3点式のものがあります。最新のホールテストでは、0.005~0.001mmの精度まで計測することができます。

ミツトヨ ホールテスト25~30mm

ダイヤルゲージ

ノギスやマイクロメーターのように長さを計測するのではなく、ある基準位置からの変位量を読み取り、比較測定する測定器がダイヤルゲージです。

例えば、汎用旋盤のチャックに取り付けたワークの心出し(軸の中心を合わせる)をする場合にダイヤルゲージを使います。ワークの外周にダイヤルゲージを押し当ててワークを軽く手で回すと、ダイヤルゲージの目盛が動きます。この目盛が動かないようにチャックの爪の締め付け力を調整すると正確に心出しすることができます。

 

シンワ測定 ダイヤルゲージ 標準型 0.01mm/10mm

ブロックゲージ

縦の厚さはすべて同じで横幅の長さが異なる直方体のブロックを100個程度セットにした道具が、ブロックゲージです。ブロックの平面は高精度で平面化・平坦化されていて、平行度は極めて高く、異なるサイズのブロックを組み合わせて正確な寸法を測ることができます。

ブロックゲージは、ノギスやマイクロメーターなどの寸法を計測する測定器の精度を確認したり、工作物寸法の精密検査をする用途で使用されます。

 

新潟精機 (SK) ブロックゲージ

水準器

地面との平行度を計測する測定器が水準器で、水平出し(レベル出し)という作業に使用します。工作機械のテーブルやワークが傾いていては正確な加工ができませんので、工作機械で加工する場合は、常に平行度を意識しなければなりません。

水準器を使用する例としては、次のようなケースが考えられます。

・工作機械を新しく設置する場合のレベル出し

・切削加工する工作機械のテーブル上のレベル出し(フライス盤・研削盤など)

・定盤のレベル出し

・回転シャフト上の平面度測定(ロールベンダーなど)

 

シンワ測定 ブルーレベル マグネット付 300mm

まとめ

今回は現場で活躍する測定器についてご紹介しました。

NC工作機械・汎用工作機械にかかわらず、加工が完了すると測定器で計測し、設計図通りの寸法となっているか確認します。特に試作品をフライス盤や旋盤といった汎用工作機械で製作する場合などは、加工と測定の繰り返し作業になります。

どの測定器も精密加工するうえで必要となる機器となるので、各測定器の使い方や目盛の読み方を理解し、正しい測定方法を身につけておくことが重要です。