発電機とは|誰でもわかる!発電機を徹底解説

発電機とは

燃料を使ってエンジンを稼働させ、装置内のコイルや磁石を回転させることで電気を得る装置を発電機といいます。

発電機は作業現場で使う大型の発電機から防災・DIY・レジャーで使う小型の発電機までいろいろな種類があります。

主にコンセントから電源が取れない状況で使われ、特に屋外で電気を使用する場合に発電機は欠かせない装置です。

発電機の種類

発電機の種類を機能別に説明していきます。

ここではガソリンを使って稼働する原動機の発電機の種類について解説しています。

インバータ発電機

名前の通りインバーターを内蔵した発電機で、現在最も普及している発電機です。

インバータとは電気の電圧や周波数を一定に保つことができる装置のことで、インバータ発電機は発電機の中で最も安定した良質な電気が供給されます。

インバータ発電機

出典:やまびこ 新ダイワ IEG900M-Y/M (50/60Hz切替式)

日本は東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で周波数が異なる世界でも珍しい国ですが、周波数の切替スイッチで周波数を設定できるのもインバータ発電機の特徴です。

パソコンや電子レンジなどの精密機械を発電機から給電する場合は、このインバータータイプを選定する必要があります。

インバータ発電機は良質な電気を提供できる反面、交流→直流→交流と電気を変換するために電気の損失が多く、スタンダード発電機に比べて燃費が悪くランニングコストが高くなるといったデメリットがあります。

ボディタイプは全面カバー付きと原動機むき出しの両タイプがありますが、カバー付きが主流で軽量コンパクトな機種が多いです。

 

スタンダード発電機

インバーターを搭載していないタイプの発電機をスタンダード発電機といいます。

パソコンなどの精密機械へ給電しないのであれば、このスタンダード発電機のほうがインバータ発電機よりも価格が安くすみます。

スタンダード発電機

出典:ホンダ EP900(60Hz)

スタンダード発電機は構造がシンプルなため、電気の損失も少なく高出力で経済的です。

ただし、発電機の振動やノイズを直に受けて急な電圧の低下になるので、マイコン制御の機械は故障の原因になるので使用できません。周波数の切替はできないので、使用する機械の規格に注意して機種を選定する必要があります。

主に作業現場で使われ、大型でむき出しのボディタイプが多く発売されています。

 

サイクロコンバーター発電機

インバータは直流を交流に変換しますが、サイクロコンバーターは交流を別の周波数に変換する装置のことです。そのためサイクロコンバータ発電機は周波数を50Hz/60Hzに切り替えが可能です。

サイクロコンバータ発電機は、インバータ発電機とスタンダード発電機の中間に位置付けされます。パソコンなどの精密機械は使えませんが、スタンダードよりも良質な電気を供給し、軽量コンパクトです。

サイクロコンバーター発電機

出典:ホンダ EX22

サイクロコンバータ発電機の機種価格はインバータ発電機よりも安価なため、パソコンやマイコン制御の電子機器に給電せず、スタンダード発電機より質の良い電気が必要な場合は、このタイプを選定するといいでしょう。

ボディタイプは、むき出しのフレームタイプが大半を占めます。

 

三相交流発電機

三相交流とは3本の線を使った送電方式で、大容量の電気を効率よく送ることができます。

コンプレッサーやモーターといった大型の装置や200V電源を必要とする機械を動かす場合に三相発電機が使われます。

三相交流発電機

出典:ヤマハ EF6000TE

大容量の電気を扱うためサイズが大きく、騒音も他の発電機に比べて大きいといった特徴があります。主に産業関係の工場や作業現場で使われ、一般家庭で使用することはあまりありません。

 

それ以外の発電機

ここまでガソリンを使う原動機の発電機について説明してきましたが、ガソリン以外を使う発電機もあります。

ディーゼル発電機

ディーゼルエンジンを原動機とする発電機で、大型の産業機械を動かす際に使用されます。

トルクが大きい船舶用のエンジンが使われることが多く、大容量の電力を長時間安定して提供することができます。

ディーゼル発電機

出典:ヤンマー YDG250VS6E

 

ガス発電機

産業用ではLPガスを使ったガス発電機がありますが、一般家庭向けのガス発電機といえば、カセットガスを使った発電機のことです。

カセットガスとは、カセットコンロで使うホームセンターやスーパーで売っているあのカセットガスです。カセットボンベとも言います。

カセットガス発電機

出典:ホンダ ガスパワーエネポ

カセットガス発電機のメリットは、カセットガスを燃料とするので燃料漏れがなく安全であること、長期保管ができること、メンテナンスが簡単なことです。

カセットガスの保管期間は、保管環境にもよりますがだいたい5~7年といったメーカーが多いです。ガソリンを使う発電機の場合、長期間使用しないときはガソリンをすべて抜いてから保管するので手間がかかりますが、カセットガス発電機の場合はカセットガスを取り外すだけですみます。

カセットガス

出典:イワタニ

カセットガス発電機のデメリットは、ガソリン発電機に比べてややパワーが弱く、またカセットガス1本で1時間くらいしか持たないといった点です。

防災だけの用途で発電機を用意しておく場合は、このカセットガス発電機がおすすめです。

 

発電機の形状

発電機には原動機がむき出しのフレームタイプと全面カバーに覆われているカバータイプがあります。それぞれの特徴を説明します。

フレームタイプ

原動機がむき出しの発電機をフレームタイプといいます。他にもオープンタイプやパイプフレームなど、呼び方はメーカーによって様々です。

スタンダードタイプの多くがこのフレームタイプとなっています。

フレームタイプの発電機

出典:工進 スタンダード発電機

フレームタイプは構造がシンプルなのでカバータイプと比べて安価な点とメンテナンスがしやすい点がメリットとしてあげられます。

振動やエンジン音が大きく、本体サイズも大きいといったデメリットがあります。

 

カバータイプ

全面カバーで覆われて原動機が見えないようになっているカバータイプの発電機です。

家庭用で使用する場合は、このカバータイプが主流になります。

カバータイプの発電機

出典:ワキタ MEIHO インバーター発電機

カバーがあるために稼働音が静かであることや作りがコンパクトであること、原動機を直接触ることもないので火傷をすることも少ないといったメリットがあります。

デメリットは、カバーを外さないとメンテナンスができないので手間がかかること、フレームタイプに比べて費用がかかるといった点です。

 

発電機の仕様

定格周波数

[50Hz] [60Hz] [50Hz/60Hz切替] があります。周波数の単位はヘルツです。

発電所から送られてくる電気は、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で周波数が異なります。

電気を使う道具や工具は、地域の周波数にあわせて作られるので、発電機の周波数も地域に合わせなければいけません。

[50Hz/60Hz切替]は、発電機のスイッチで周波数を切り替えできる機種になります。

定格出力

発電機が安定して電力を提供できる値のことで、単位はVA(ブイエー)となります。

発電機を選定するときに重要となる指標で、定格出力が大きければ大きいほど容量の大きい電力を提供することができます。

必要となる定格出力の容量は、使用機器の条件によって大きく変わってきます。
ほとんどの機器は起動時に消費する電力(起動電力といいます)が最も大きくなりますが、使用機器によって1.5倍~3倍以上の起動電力を必要とするためで、この起動電力の合計値よりも定格出力が高い発電機を選定する必要があります。

定格電圧

発電機が安定して提供できる電圧のことで、単位は(ボルト)です。

家庭用であれば、単相100Vの機種を選定しておいてまず問題はありません。

産業機械のような大きな機械を動かす時に200Vを使用します。

 

まとめ

今回はレジャーやDIY、防災時に役に立つ発電機の種類についてご紹介しました。

発電機にはいろいろな種類があることがわかりましたが、家庭用で使う発電機は、静音性・良質な電気といった点から、カバータイプのインバーター発電機の一択になると思います。

日本は災害の多い国で、いつどこで被災してもおかしくないと思います。お住まいの地域が被災すると停電が起きるので、一家に一台の発電機があると不測の事態に役立ちます。

では、次回以降でどのように発電機を選べばよいか解説していきたいと思います。