シャーリングとは|誰でもわかる!板金機械を徹底解説

シャーリングとは

板金の素材を切断する機械をシャーリングマシンといいます。
板金切断機、せん断機ともいいます。

シャーリングの構造は、私たちが日常生活でよく使う”はさみ”に似ています。
上刃と下刃があり、上下から板金素材に圧力を加えることにより、せん断します。
下刃は素材に対して水平ですが、上刃は少しだけ角度がついています。
この角度をシャー角といい、シャー角があることで直線状に素材をせん断できます。

シャーリングは、足元にあるフットスイッチ、またはせん断ボタンを押すことによって上刃が下りてきてカットします。

シャーリングの種類

最近では板金素材のせん断にレーザー加工機が使われることが多くなりましたが、シャーリング機械もまだまだ使えます。

ここからは、シャーリング機械の種類をご紹介します。板金素材の厚さや大きさ、作業効率にコストなど、用途に合わせて機械を選定することが肝要です

メカシャーリング

せん断する刃を動かす動力が機械式のものをメカシャーリング、または機械式シャーリングともいいます。せん断の早さではこれが一番早いですが、板金素材の厚いもの(6mm以上)には向きません。

出典:相澤鉄工所 メカシャーリング

油圧シャーリング

せん断する刃を動かす動力が油圧式のものを油圧シャーリングといいます。せん断の早さは機械式ほど早くないですが、板金素材の厚いもの(6mm以上)にも使えます。

出典:コマツ産機 油圧シャーリング

シャーリングマシンというと、一般的にこの油圧式か機械式のメカシャーリングのことを指します。板金素材の幅が1m~6mまでせん断できる機械が主流です。

6m以上のサイズの素材を扱う時は、レーザー加工機が妥当でしょう。

コーナーシャー

メカシャーリング、油圧シャーリングは素材を直線状にカットします。

それに対して、素材の角をV字型や切り欠き、せん断する機械をコーナーシャー、またはコーナーカッターといいます。

出典:タケダ機械 コーナーシャー

バイブロシャー

刃物を振動させて板金素材を切断する機械をバイブロシャーといいます。

直線だけでなく、円弧状にせん断することができます。

但し、最近ではレーザー加工機の出現でバイブロシャーを製作するメーカーもなくなり、新しい機械は販売されていないようです。

足踏みシャーリング

名前の通り、足で踏む力を使って上刃を下すせん断機です。

最も原始的なせん断機械ですが、薄い銅や亜鉛の金属版、スチールベースの樹脂版などは高価なレーザー加工機を買わなくても足踏みシャーリングで十分代用できます。

シャーリングの製造メーカー

アマダ

[メカシャーリング、油圧シャーリング、コーナーシャー、自動シャーリングシステム]

板金機械全般を扱う大手メーカー。

代理店も多く、板金機械といえばアマダといわれるほど業界では知名度が高い。

相澤鉄工所

[メカシャーリング、サーボシャー、自動シャーリングシステム]

シャーリングとプレスブレーキの専門メーカー。

関西鐡工所

[メカシャーリング]

シャーリングとプレスブレーキの専門メーカー。

コマツ産機

[油圧シャーリング]

板金機械全般を扱う大手メーカー。シャーリングは1種類だけの販売となるが、操作性に優れ工業高校など教育機関でも多く採用されている。

シャーリング以外の切断機

レーザー加工機

レーザーの照射によって切断、マーキング、彫刻ができる機械です。

シャーリング機械のように切断面にダレ(切断面の丸み)やバリが発生せず、また打ち抜きも合わせて行うことができるため人気があります。

レーザーガスやコンプレッサー、発振機、チラーなどのメンテナンスにかかるランニング費用はシャーリングの数十倍かかりますので費用面ではシャーリングが圧倒的に有利です。

レーザー加工機については、こちらの記事にまとめてみました。

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プラズマ加工機

プラズマ加工は、アーク放電による電気エネルギーを利用して素材を切断します。

最近ではほぼ金属素材の切断に限定して使用されます。

レーザー加工機ほどランニングコストはかかりませんが、加工面の美しさや複雑形状のカットができるといった点ではレーザー加工機のほうが優れています。

ディスクグラインダー

ハンディタイプの機械で、高速回転する切断砥石を先端に取り付けて切断します。

ディスクは高速回転するため、火花が出ます。

小物の研削加工に使用する機械のため、直線の加工精度、切断面のきれいさ、安全面からみて板金素材の切断はあまり向いていません。

あくまで少しだけ切断したいケースに限られます。

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まとめ

今回はアルミやステンレスといった薄い板金素材を切断する機械、シャーリングマシンについてご紹介しました。

シャーリングは刃物の手入れを怠らなければ長く使えて非常に経済的な機械です。

また、シャーリングで切断していると、ダレやバリが出たり、素材の反り返りやねじれが発生する場合がありますが、刃物の研磨やシャー角の見直し、クリアランス(上刃と下刃の隙間)を調整することで、切断面をある程度美しくすることができます。

シャーリングマシンを選定する際はレーザー加工機が比較対象になると思いますが、導入費用はもちろん、ランニングコストも合わせて検討することが重要です。