複合加工機とは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

 

複合加工機とは、NC旋盤が持つ旋削機能と、マシニングセンターが持つ切削加工の両方を併せ持った工作機械です。旋削と切削を集約することで、NC旋盤とマシニングセンターの複数機械を用意しなくても1台ですべての工程を完結できます。

 

複合加工機の種類

マシニングセンターの進化系

マシニングセンターのインデックステーブルに、旋盤のように高速回転する機能を備えた機械。要するにマシニングセンターに機能を追加したものが該当します。

NC旋盤の進化系

NC旋盤の刃物台に回転工具を装備し、従来の旋盤で行う旋削加工に加え、ドリルで穴あけやエンドミルで中ぐりなどマシニングの機能も備えた複合加工旋盤で、ターニングセンターの名称が一般的です。

 

複合加工機のメリット

旋盤加工やフライス加工など、従来は1個の製品を作るのに役割ごとに別々の機械で行っていましたが、複合加工機はそれらすべてを1台で補えるため、様々なメリットがあります。

工程の短縮

工程ごとに行っていた素材の取り付けや取り外し、運搬といった段取りが不要になります。

1度のチャッキングで続けて次の工程に移れるため位置決めが不要で、複数の工程を行っても製品ごとのバラつきが少なく、高精度が維持できます。

長時間の自動無人運転に向いていて、大幅に工数を削減してくれることでしょう。

省スペース・省エネ効果

工程ごとの機械を複数並べる必要がなくなり、機械の設置スペースを効率的に使えます。

電気も複数台稼働させるよりも少なくなり、省エネ効果があります。

複合加工機1台あたりの機械代は高価ですが、工程別に複数台の機械を購入するよりも安く、ランニングコストでも電気代、人件費、保守費などにおいて優れているため、省コストといえると思います。

 

複合加工機の製造メーカー

オークマ(株)

https://www.okuma.co.jp/

5軸制御、立型、門型の複合加工機を製造してます。

オークマは、愛知県丹羽郡大口町下小口に本社を持つ大手工作機械メーカーです。
ヤマザキマザック、DMG森精機、ジェイテクトと同じく、四大工作機械メーカーの一角を占めます。旧社名は、大隈鐵工所。

 

中村留精密工業(株)

トップページ

中村留精密工業は、石川県白山市に本社を持つ工作機械メーカーです。

 

ヤマザキマザック(株)

https://www.mazak.jp/

複合加工機の代名詞と呼ばれるマザックの代表種INTEGREXシリーズをはじめ、多種多様な工作機械の取り扱いがあります。

ヤマザキマザックは、愛知県丹羽郡大口町竹田に本社を持つ大手工作機械メーカーです。
オークマ、DMG森精機、ジェイテクトと同じく、四大工作機械メーカーの一角を占めます。
旧社名は、山崎鉄工所。

 

(株)滝澤鉄工所

http://www.takisawa.co.jp/product/index.html

B軸付工具主軸型、タレット型の高効率・複合加工機をラインナップしています。

滝澤鉄工所は、大正時代から続く岡山県の工作機械メーカー。
旋盤は工業高校や専門学校など教育関係で多く使われており、工作機械メーカーの老舗として高い知名度を誇ります。上海や台湾にも生産拠点を置いています。

 

まとめ

今回は複合加工機の概要について書いてみました。

技術の進歩は速く、現在ではマシニングセンターと同等のミーリング機能を備え、ATC(オートツールチェンジャー)の高速化で工具の交換がより高速化している機種もあります。

設置スペースが少なくすんだり、省エネ効果にも優れている点など複合加工機導入のメリットは多く、今後は複合加工機の需要が増え、新機種が次から次へと発売されることでしょう。