ホーニング盤とは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

ホーニングとは

表面仕上げ機械の一種で、棒状の先端に取り付けられた複数の砥石(ホーンという)で筒状素材の内面を研削する工作機械をホーニング盤といいます。

中ぐり盤などで筒状素材の内面を研削した後、ホーニング盤で研削加工の仕上げ処理が行われます。

 

ホーニング盤の特徴

ホーニング盤の加工は、研削盤と同様に砥石を使って研削しますが、速度がゆっくりで素材に大きな圧力をかけないで加工するため、素材が高熱になることもなく火花も出ません。

ホーニングは超精密で高い真円度を加工できるため、高い精度が要求されるエンジンシリンダー内径の最終仕上げに使われます。

加工面には細い網状の線が入り、これが「きさげ」の効果を生成し、潤滑油の巡りが良くなるというメリットもあります。高い圧力でオイルを常時巡回させているエンジンシリンダーの加工には最適の工作機械です。

 

ホーニング盤の種類

ホーニング盤は立型形状の機種が多く、上下の往復運動によって内径加工を施します。

立型以外にも横型や歯車専用ホーニング盤というのもあります。

用途別でみると、円筒形素材の内径用、外径用、クランク軸用、歯車用などがあり、加工物によっては専用機として特注製造されることもあります。

CNC多軸ホーニング盤

富士ホーニング工業

 

平行平面ホーニング研削盤

富士産機

 

また、立型のホーニングのようにホーンを往復運動する加工法とは変わってきますが、細かい砥粒を均一に分散した加工液を圧縮空気により素材の表面に吹き付け、素材の表面をつや消しや「なし地」を得ることができる加工法の液体ホーニングという機械もあります。

またの名を、ウェットブラストとも呼び、主にバリ取りなどで使われます。

液体ホーニング

不二精機製造所

 

ホーニング盤の製造メーカー

トーヨーエイテック(株)

https://www.toyo-at.co.jp

自動車メーカーのマツダから、工作機械部門を独立させた会社。

本社は広島県広島市内。

工作機械や表面仕上げ機械を扱う。

ホーニング盤では、自動車部品量産ラインで徹底的に鍛えられた高精度・高能率のホーニング加工機を製造する。

倉敷機械(株)

http://www.kuraki.co.jp/mother/index.html

新潟県長岡市に本社を置く工作機械メーカー。

「クラキ」のブランド名で横型中ぐり盤は、国内シェア2位の実績あり。

(株)神崎高級工機製作所

http://www.kanzaki.co.jp/

工作機械と歯車加工機で有名な工作機械メーカー。

本社は兵庫県尼崎市。

ヤンマー(株)が全額出資の直系企業。

ホーニング盤では、ギヤーホーニングマシンを製造・販売を行う。

 

その他、日進製作所、エンギス、ナーゲル・アオバプレシジョン、竹沢精機、浜野鉄工、タミックス、マルヨシマシナリィ、ダイニチ、サンネン、池貝といったメーカーがホーニング盤を製造されています。

 

まとめ

今回は筒状素材の内面を研削する機械、ホーニング盤についてご紹介しました。

ホーニングと内径研削の違いについてよく聞かれますが、真円度や円筒度の精度は、ホーニング加工の方が高精度で優秀です。

但し、微量しか削りませんので、内径研削した後にホーニングで仕上げるといった使い方が適しています。