目次
グラインダーとは
研削盤の一種で、研削用の砥石を高速回転させ素材の表面を研削・切断・研磨する工作機械です。研削盤には自由研削盤と機械研削盤があり、平面研削盤や円筒研削盤といった研削機械が機械研削盤に分類され、卓上グラインダーやポータブルグラインダーといった機械が自由研削盤に分類されます。
今回は、自由研削盤に分類されるグラインダーについてご紹介します。
機械研削盤については、こちらの記事をご覧ください。
グラインダーの種類
ストレートグラインダー
ポータブルグラインダーともいいます。ハンディサイズの電動工具で、回転する主軸の先端に円筒形の砥石を取り付け、高速回転させて加工します。ディスクグラインダーは円盤状の砥石を取り付けますが、ストレートグラインダーでは、円筒形の交換用砥石を取り付けて素材の研削、研磨、バリ取りなどに使います。最近ではコードレスタイプも販売されています。
マキタ ストレートグラインダー
ストレートグラインダーは、各種素材の切削、研磨、バリ取りに使用します。特に溶接で出たビードの除去、ディスクグラインダーでは難しい角度がついた箇所での研削には最適です。
ディスクグラインダー
ストレートグラインダーと同様に主軸の先端に砥石をつけて高速回転で加工する電動工具です。ストレートグラインダーは円筒形の砥石ですが、ディスクグラインターではディスク状(円盤状)の砥石を使って研磨・研削・切断加工ができます。現場ではこのディスクグラインダーのことを単にサンダーと呼ぶ人が多いです。
BOSCH(ボッシュ) 無段変速型ディスクグラインダー
ディスクグラインダーの種類、選び方、交換ディスクなどの詳細についてこちらの記事にまとめましたのでよかったらご覧ください。
https://www.kousakukikai.tech/diskgrinder/
アングルグラインダー
アングルとは角度のことで、角度のついたグラインダーをアングルグラインダーといいます。振動の少ないエアー式の機種が多く発売され、金属素材の研削や研磨、サビ取りに使用します。地面と垂直の壁面の作業や、ストレートグラインダーではひっかかるような狭い箇所での作業も楽に行えます。
ヤナセ アングルグラインダー
卓上グラインダー
上記で説明したストレート～ディスク～アングルのグラインダーは、固定した素材にグラインダーを近づけて加工するものですが、卓上グラインダーは機器を卓上(机上)に固定し、回転する砥石に素材を近づけて加工するタイプのグラインダーです。ベンチグラインダーともいい、用途によって両頭グラインダー、ベルトグラインダー、バフグラインダーといった種類があります。
両頭グラインダー
機械を卓上に設置し、左右両端に回転砥石を取り付けた工作機械を両頭グラインダーといいます。異なる粗さの砥石を使い分けできるので、効率よく加工できて便利です。
マキタ 両頭グラインダー
固定できないような小さな素材や旋盤バイトのような工具でも卓上グラインダーで簡単に加工することができます。主に金属素材の端面研削、バリ取り、工具の荒削りといった用途で使用されます。
ベルトグラインダー
エンドレスに回転するベルト状の研磨ベルトに工作物を押しつけて加工する工作機械をベルトグラインダーといいます。工作機械で加工した素材のバリ取りや面取り、研削、研磨加工で使用します。
日立工機 ベルトグラインダー
バフグラインダー
両頭グラインダーやベルトグラインダーなどで研磨加工した素材の表面仕上げ、鏡面化に使用する工作機械がバフグラインダーです。異なる粗さのフェルトや布製のバフを両端に取り付け、素材を近づけて加工します。
淀川電機製作所 バフグラインダー
高速切断機
本体の中央に取り付けられた砥石が高速回転することによって、素材が触れるだけで切断できる機械が高速切断機です。鉄パイプ・角材・アングル材などの鉄材の切断に使用します。
リョービ 高速切断機
まとめ
今回は回転砥石を使う工作機械で自由研削盤に分類されるグラインダーについてご紹介しました。機械式研削盤に比べて安価で手に入りやすく、すぐに加工にとりかかれるという手軽さがある反面、加工中は火花が飛び散り、高温の切りカスも飛び出るため、怪我のないよう注意しなければなりません。初心者の方は、まずは経験者の指導を受けてから作業するようにしましょう。
