バンドソーとは|誰でもわかる!金属切断機械を徹底解説

バンドソーとは

のこぎりの刃を円形状(帯状)にした鋸刃を高速で回転させて金属を切断する電動工具をバンドソーといいます。

バンドソーは、別の呼称で帯鋸盤とも呼ばれています。丸棒やパイプ、鋼材の素材を加工サイズに切断する際に使われます。

バンドソーは鉄素材(鉄骨)切断用、木工素材切断用、食品加工用と用途に分かれていますが、今回は鉄製品加工用のバンドソーについてご紹介します。

 

バンドソーの特徴

バンドソーの回転鋸刃(ブレード)は、すべて同じ方向を向いたループ状をしており、一方向に鉄骨や木工素材を切断します。切断方向が一方向なので、切断面がきれいといった特徴があります。

また、チップソーのように鋸刃が超高速で回転しないため、火花は出ず、焼けも出ない、バリやカエリも少なく切断できます。

バンドソーの構造

構造は至ってシンプルです。立型バンドソーは、上下に二個の車輪(滑車、プーリーともいいます)があり、プーリーに回転鋸刃をセットします。スイッチをONにすると、モーターの力で下のプーリーが動き、鋸刃がぐるぐる回転する仕組みです。横型のバンドソーだとプーリーは左右にあります。

 

バンドソーの種類

立型バンドソー

立型のバンドソーはブレード(回転鋸刃)が垂直方向を向き、切断位置も垂直です。素材をブレードの方に近づけて切断していきます。テーブルを前後に傾斜できるタイプの機種もあります。ブレードが固定され、素材を移動させて切断します。

立型バンドソー

(株)アマダマシンツール

 

立型のバンドソーは横型よりも汎用性があり、輪郭形状の曲面切断や長尺素材の切断、ポリッシング(表面研磨)などの複雑な加工もできます。特殊な工具や冶具が不要で押し付けるだけで切断できるので、多品種少量生産の場合は立型バンドソーが向いていることが多いです。

 

 

横型バンドソー

横型のバンドソーはブレード(回転鋸刃)が水平方向を向き、切断位置も水平です。素材をバイスなどで固定し、ブレードが上から下りてきて素材を切断していきます。素材が丸棒の場合はチェーン式のワーク保持具を使います。

横型バンドソー

(株)ニコテック

横型バンドソーは素材が固定されて一定間隔、一定方向に鋸刃が動くため、正確な寸法に切断できます。細かい素材の切断にも適しています。
また、自動化するための送り装置などの周辺機器は、横型が充実しているため少品種大量生産の場合は、横型のバンドソーがおすすめです。

 

ポータブルバンドソー

動かせない素材を切断したい時や、切断機を移動して切断したい場合は、小型で軽量化されたポータブルバンドソーがあります。ポータブルバンドソーは単純カットから、曲線状の切断、複雑な輪郭形状の切断まで行うことができます。

ポータブルバンドソー

(株)マキタ

最近では、充電式コードレスのポータブルバンドソーが人気です。

 

ブレード(鋸刃)の選び方

 

ブレードの1インチ(25.4mm)内にある鋸刃の数をピッチ、または山数といいます。

18ピッチだと鋸刃のサイズは、25.4/18=1.4mmです。
14ピッチだと鋸刃のサイズは、25.4/14=1.8mmです。

鉄骨など硬い金属素材を切る場合は、目が細い(=ピッチ数が多いもの)ブレードを選択し、アルミなど柔らかい素材の場合は目が粗い(=ピッチ数が少ないもの)ブレードを選択するようにしましょう。

最近では鋸刃のサイズが均等ではないコンビ刃と呼ばれるブレードが多く出回っています。刃の大きさを変えることで、切断速度が速いという特徴があり、一般鋼からステンレス等の難削材まで幅広い材料の切断に使用されています。

ピッチの表記が14/18などと記されたブレードは、コンビ刃のブレードになります。
(この場合は、1.8mmと1.4mmの鋸刃が交互に混ざったものです。)

 

まとめ

今回は金属素材の切断機、バンドソーについてご紹介しました。

改めて、バンドソーの特徴を整理すると次のようになります。

バンドソーには、立型・横型・ポータブル型があり、
立型はブレードが固定されて、素材をブレードに近づけて切断する。
横型は素材が固定されて、ブレードが素材に近づいて切断する。
ポータブル型は動かせない素材や高所での切断作業に使用する。
といった特徴があります。

ブレード(鋸刃)は、硬い素材の切断に使用するのは目が細いブレードを選択し、柔らかい素材の切断の場合は目が粗いブレードを選択する。


参考
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